秋の風物詩である紅葉(こうよう)。 山を彩る樹木として、紅葉(モミジ)や楓(カエデ)をイメージする人も多いのではないでしょうか? 共に手の平のような葉を持っていますが、果たして違いとは何でしょうか? 古今和歌集に出てくるを歌を交え、美しい朝礼スピーチネタにまとめました。
1.紅葉(モミジ)と 楓(カエデ)の違いとは?【10月・11月朝礼ネタ】
スピーチのコツは、話の冒頭で心をツカミ、中盤のネタで頭にイメージさせ、オチで肚(はら)に落とすことです。 下段の1分スピーチと3分スピーチの例を参考にしてください。
1-1.ツカミ:モミジとカエデも実は同じ植物
- 一般的に「モミジ」「カエデ」と呼ばれている、手の平のような形の葉を持つ樹木は、分類学上、同じ植物カエデ科カエデ属に属している
- 葉の切れ込みの深さによって「モミジ」と「カエデ」と呼び名が違うことが混乱の原因
- 人の手のように切れ込みが深いのが「モミジ」、カエルの手のように切れ込みが浅いのが「カエデ」
- カエデは葉がカエルの手のようなことから名付けられた
1-2.ネタ:モミジの語源は「紅葉する」という言葉
- モミジの語源は、秋に葉が赤や黄色に色づくことを表す「もみづ」という動詞(古語)
- 漢字で「紅葉づ」「黄葉づ」と書いた
雪降りて 年の暮れぬる 時にこそ つひ(い)にもみぢぬ 松も見えけれ
よみ人知らず「古今和歌集」巻第六 冬歌(340)
雪が降り、年が暮れてしまった時になってようやく、最後まで紅葉しない松を見られることよ
- 「紅葉しない松」の意味で、「もみぢぬ松」と表現している
- そもそも常緑樹の松は紅葉しない
- 孔子が論語で説いた「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」という四字熟語を背景に読まれた
- 「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」とは、寒い冬でも、松や柏が葉を落とさず緑の葉を保つことになぞらえて、逆境や困難の中でも節操を守り、志を変えないこと
1-3.オチ:志を持って仕事に取り組む
- 環境やタイミングが整っている時に上手くいくのは当然のこと
- 逆境の時にこそ、力が試される
- 秋の葉のモミジは美しいが、仕事の上では簡単に“もみぢづ”、「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」の気持ちで頑張りたい
2.1分スピーチ例文
おはようございます!
秋の楽しみと言えば紅葉がありますが、紅葉の代名詞とも言える「モミジ」「カエデ」の違いをご存知でしょうか?
実は、これらの樹木は分類学上、カエデ科カエデ属に属している同じ植物なんです。
人の手のように切れ込みが深いものは「●●モミジ」と呼ばれ、カエルの手のように切れ込みが浅いのは「●●カエデ」と呼ばれるため、混乱しやすいようです。
また、モミジは、秋に葉が赤や黄色に色づくことを表す「もみづ」という古語の動詞が語源になっています。
古今和歌集の中に「みぢぬ 松」と、「紅葉しない松」を表す言葉が出てきますが、これは逆境や困難の中でも節操を守り、志を変えないことを意味します。
仕事でも、逆境の時にこそ力が試されると思うので、簡単に“モミジズ”、志を持って頑張りましょう!
3.3分スピーチ例文
おはようございます!
秋の楽しみと言えば紅葉がありますが、紅葉の代名詞とも言える「モミジ」「カエデ」の違いをご存知でしょうか?
両方とも、人の手の平のような形をしているイメージですが、改めて違いを聞かれると、はっきりと答えられないという人もいるのではないでしょうか?
実は、これらの樹木は分類学上、カエデ科カエデ属に属している同じ植物なんです。
ただ、葉の切れ込みの深さによって「モミジ」と「カエデ」と呼び名が違います。
葉が、人の手のように切れ込みが深いものは「●●モミジ」と呼ばれ、カエルの手のように切れ込みが浅いのは「●●カエデ」と呼ばれるため、モミジとカエデが別の植物かのように感じてしまいます。
ちなみに、カエデは葉がカエルの手のような形をしていることが語源で、「カエルデ」「カエデ」となったそうです。
一方、モミジは、秋に葉が赤や黄色に色づくことを表す「もみづ」という古語の動詞が語源になっています。
つまりカエデはもちろん、カエデ以外の草木でも、赤や黄色に色付けば、「モミジ」と言えるということです。
「もみづ」という言葉は、古今和歌集の中にも出てきます。
「つひ(い)にもみぢぬ 松も見えけれ」という表現があるのですが、この「もみぢぬ 松」とは、「紅葉しない松」の意味です。
そもそも常緑樹(じょうりょくじゅ)で紅葉しない松を、なぜわざわざ歌に詠んだのかというと、孔子が論語で説いた「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」という四字熟語が関係しています。
「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」とは、寒い冬でも、松や柏が葉を落とさず緑の葉を保つことになぞらえて、逆境や困難の中でも節操を守り、志を変えないことを意味します。
つまり、その和歌は、紅葉しない松のように、志を強く持つことを意味した歌なのです。
仕事でも、環境やタイミングが整っている時に上手くいくのは、ある意味当然のことで、逆境の時にこそ、力が試されると思います。
秋のモミジは美しいですが、仕事の上では簡単に“モミジズ”、「歳寒松柏(さいかんしょうはく)」の気持ちを持って取り組みたいです。
それでは今日も1日、頑張りましょう!
▼10月話題の朝礼ネタ
10月の朝礼ネタ【「神無月」は「神様がいない月」は俗説?万葉集に見る真の意味】
10月の朝礼ネタ【2019年10月14日体育の日が終了。令和の体育の日は一度限り】
10月・11月スピーチ朝礼ネタの例文【紅葉(モミジ)と 楓(カエデ)の違いとは?古今和歌集が解決】
10月のおもしろ朝礼ネタ例文【なぜ、食欲の秋?実は科学的には未解明の刷り込み】
▼万葉集・令和関連の一目置かれる朝礼ネタ
5月・令和の朝礼ネタ【令の書き方の違い。正しいのはどちら?】